
インフルエンザワクチンを受けるか迷っているんだ。注射にするか、点鼻にするか、どっちが効くんだろう?
「インフルエンザワクチンを打ったら、いつから効くの?」
「早く接種しすぎると、冬の途中で効果がなくなりませんか?」
インフルエンザワクチンの時期になると、よくいただくご質問です。
現在、子どものインフルエンザワクチンには、従来の注射するワクチン(不活化ワクチン)と、鼻に噴霧する点鼻ワクチン「フルミスト」(経鼻弱毒生ワクチン)があります。
今回は「いつから効果が期待できる?」「どのくらい続く?」という疑問についてお話しします。
注射のワクチンは「接種後2週~5か月程度」が目安
厚生労働省の資料では、季節性インフルエンザワクチンの予防効果が期待できる期間について、接種後(小児の場合は2回接種後)2週から5か月程度とされています。
つまり、接種した翌日から十分な効果が期待できるわけではありません。
ワクチン接種後、体の中でインフルエンザウイルスに対する免疫が作られていくため、ある程度の時間が必要です。
また、「5か月たったら突然効果がゼロになる」という意味でもありません。ワクチンによる免疫は時間の経過とともに徐々に低下していきます。
そのため、流行時期を考えて接種することが大切です。
点鼻ワクチン「フルミスト」は?
フルミストは、鼻の中に噴霧する弱毒生ワクチンです。
注射の不活化ワクチンとは免疫のつき方が異なり、鼻などの粘膜での局所免疫に加えて、全身の免疫や細胞性免疫の誘導も期待されています。
日本では2歳以上19歳未満が対象で、年齢にかかわらず1シーズンに1回、左右の鼻に噴霧します。
では、「何日後から効いて、何か月続くのでしょうか?」
実は、日本の添付文書などでは、注射のワクチンの「2週~5か月程度」のように、フルミストについて効果が現れる時期や持続期間を単純に「○週間後から○か月間」とは示していません。
そのため、当院ではフルミストについて「○日後から効く」「○か月間効く」と断定するのではなく、そのシーズンのインフルエンザ予防を目的として1回接種するワクチンとしてご案内しています。
注射と点鼻、どちらの方が効くの?
「フルミストの方が強いのですか?」というご質問もよくあります。
日本小児科学会は、2歳以上19歳未満の小児について、注射の不活化ワクチンとフルミストの間に、インフルエンザの罹患予防効果について明確な優位性は確認されていないとしています。
つまり、「点鼻だから必ず注射より効く」「注射の方が確実」という単純な比較ではありません。
年齢、基礎疾患、注射への苦手意識などを考えて選択することになります。
なお、喘息など、お子さんの状態によっては注射のワクチンをおすすめする場合があります。
早ければ早いほどいい?
インフルエンザワクチンは、必ずしも「一番早く接種した人が一番安心」というものではありません。
特に注射のワクチンは、接種後に免疫ができるまでの時間が必要で、その後は徐々に効果が低下していきます。
大切なのは、その年の流行状況や、お子さんの年齢・接種回数・予定などを考えながら接種時期を決めることです。
「来週大切な行事があるから、今日接種すれば大丈夫!」というわけではありませんので、余裕をもって予定を立てましょう。
ワクチンを接種しても100%感染を防げるわけではありません
インフルエンザワクチンは、接種すれば絶対にインフルエンザに感染しないというものではありません。
厚生労働省も、ワクチンにはインフルエンザの発病を一定程度予防する効果があり、さらに重症化を予防する効果も期待されるとしています。
「いつ接種するか」も大切ですが、「接種したから絶対にかからない」と考えず、流行期には手洗いや換気などの基本的な感染対策も続けていきましょう。
注射と点鼻、どちらにしようか迷っている場合には、お子さんの年齢や体調なども含めてご相談ください。


