
夏なのに、インフルエンザが流行っているって聞いたよ。冬の病気だと思っていたのに、なんでなの?
「インフルエンザは冬の病気」というイメージをお持ちの方も多いと思います。
ところが今年は、まだ暑さの続く8月に、栃木県から**インフルエンザの「流行シーズン入り」**が発表されました。
栃木県によると、2026年第34週(8月17日〜23日)のインフルエンザ患者報告数が、県全体で定点医療機関あたり1.00人を超え、流行開始の目安を上回りました。
例年、インフルエンザは12月ごろから患者さんが増え始め、1〜3月ごろに流行することが多いため、8月の流行シーズン入りは「ずいぶん早いな」と感じます。
インフルエンザは夏にはかからない?
そんなことはありません。
インフルエンザウイルスは一年中なくなるわけではなく、夏でも感染することがあります。医療者であれば、これまでも夏にインフルエンザの検査をして陽性と出た方を度々目にする機会はあったことでしょう。
また、夏休みには旅行や帰省など人の移動が増えます。近年は海外との行き来も多く、冷房の効いた室内では人が集まって過ごす時間も長くなります。
こうしたさまざまな条件が重なることで、夏でもインフルエンザの感染が広がることがあります。
「暑いからインフルエンザではないだろう」とは言い切れないということですね。
新学期は特に注意しましょう
9月に入り、学校や幼稚園・保育園の生活が再び始まります。
子どもたちが集団生活に戻る時期には、インフルエンザに限らず、さまざまな感染症が広がりやすくなります。
突然の発熱に加えて、
- 咳、鼻水、のどの痛み
- 頭痛
- 強いだるさ
- 筋肉痛
- 嘔吐、腹痛、下痢
などがみられる場合には、インフルエンザも原因の一つとして考える必要があります。
特に小さなお子さんでは、典型的な症状がそろわないこともあります。
今からできる予防は?
基本は特別なことではありません。
帰宅後や食事前の手洗い、咳やくしゃみがあるときの咳エチケット、十分な睡眠と休養を心がけましょう。
そして、これから秋から冬に向けて考えておきたいのがインフルエンザワクチンです。
ワクチンは「絶対にインフルエンザにかからなくするもの」ではありませんが、発症を減らし、特に重症化を予防することが期待されています。
今年は例年より早い時期からインフルエンザの動きがみられています。今後どのように患者数が推移するか、当院でも地域の感染状況を注意してみていきたいと思います。
「夏の発熱=夏風邪」と決めつけないで
夏から秋への季節の変わり目は、インフルエンザだけでなく、手足口病、COVID-19、RSウイルスなど、さまざまな感染症がみられる時期です。
「夏だからインフルエンザではない」
「高熱だから必ずインフルエンザ」
どちらとも限りません。
お子さんの熱だけでなく、元気があるか、水分がとれているか、呼吸が苦しくないかなど、全身の様子を見ることが大切です。
暑い日が続いていますが、感染症の世界では、少し早く「秋冬モード」が始まっているのかもしれませんね。
参考
栃木県「本県におけるインフルエンザの流行シーズン入りについて」(2026年8月27日発表)
宇都宮市「令和8年度感染症発生状況」
国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト


